休日の昼。
家族はそれぞれ予定がある。
自分だけリビングに残って、テレビをつけたままスマホを見ている。
別に不幸ではない。
家もある。仕事もある。家族もいる。
でも、なんか暇。
そして少し寂しい。
40代になると、「趣味がない」という問題は、意外とじわっと効いてきます。
若い頃は、友達と飲みに行ったり、車で出かけたり、ゲームにハマったり、何となく楽しいことがありました。
でも気づけば、仕事と家族の予定を優先しているうちに、自分が何をして楽しいのか分からなくなっている。
趣味は、立派なものでなくていい。
人に自慢できなくてもいい。
毎週やらなくてもいい。
大事なのは、仕事でも家族でもない、自分に戻れる時間を少し持つことです。
40代からの趣味探しは、人生を大きく変えるためではありません。
ちょっと機嫌よく生きるための、小さな避難所を作ることです。
40代になると、なぜ趣味がなくなるのか
40代になると、趣味がなくなる人は少なくありません。
理由はシンプルです。
忙しいからです。
仕事では責任が増える。
家では父親や夫としての役割がある。
親のことも少しずつ気になり始める。
住宅ローン、教育費、老後資金など、お金のことも頭をよぎる。
考えることが多すぎます。
若い頃は、自分の時間がもっとありました。
夜中まで遊んでも、翌日なんとかなった。
少々寝不足でも、身体がごまかしてくれた。
お金がなくても、なぜか楽しかった。
でも40代になると、体力も時間も気力も、全部ちょっとずつ減ってきます。
「何かしたい」と思っても、いざ時間ができると動けない。
休日に予定がないと、最初はうれしい。
でも昼を過ぎたあたりから、だんだん手持ち無沙汰になる。
そして結局、スマホ。
YouTube。
昼寝。
夕方に少し後悔。
夜に酒。
この流れ、誰が最初に発明したのか分かりませんが、かなり普及しています。
趣味がなくなるのは、怠けているからではありません。
自分の時間を後回しにし続けた結果、楽しみ方を忘れているだけです。
趣味がないことは悪いことではない
まず言っておきたいのは、趣味がないことは悪いことではありません。
「趣味は何ですか?」と聞かれて、すぐ答えられないと、なんとなく負けた気がします。
ゴルフです。
釣りです。
キャンプです。
サーフィンです。
マラソンです。
ワインです。
登山です。
こういう人を見ると、ちゃんと人生を楽しんでいる感じがします。
一方で、自分はというと、
「えー、まあ、飲むことですかね」
「休みの日は寝てますね」
「特にないです」
と言いながら、少しだけ目線を外す。
でも、趣味がないからといって、人間として薄いわけではありません。
ただ、今はそういう時期なだけです。
仕事や家族を優先してきた人ほど、自分の楽しみが後回しになります。
それはある意味、ちゃんと頑張ってきた証拠でもあります。
ただし、このままずっと自分の楽しみを後回しにすると、人生が少し乾いてきます。
平日は仕事。
休日は家の用事。
空いた時間はスマホ。
気づけば月曜日。
これが続くと、悪くはないけど、なんとなく味気ない。
だから、趣味はあった方がいい。
人生をキラキラさせるためではありません。
日々の中に、少しだけ自分の機嫌を戻す時間を作るためです。
趣味は「好きなこと」より「少し気分が戻ること」から探す
趣味を探そうとすると、多くの人がこう考えます。
「自分が本当に好きなことって何やろう」
でも、これは意外と難しいです。
40代になると、「本当に好きなこと」なんて急に聞かれても困ります。
そんなもの、履歴書の自己PRくらい出てきません。
だから、最初から大きく考えなくていいです。
趣味は「大好きなこと」ではなく、
やった後に少し気分が戻ることから探せばいい。
たとえば、
散歩したら少し頭が軽くなる。
料理をしたら無心になれる。
本を読んだら少し落ち着く。
写真を撮ると外に出る理由ができる。
観葉植物に水をあげると、なんとなく心が整う。
ブログを書いたら、自分の考えが整理される。
これくらいで十分です。
趣味というと、上手にならないといけない気がします。
道具をそろえないといけない気がします。
人に語れるレベルまでやらないといけない気がします。
でも、そんなことはありません。
趣味は、自分のためにやるものです。
誰かに評価されるためではありません。
SNSで見せるためでもありません。
大会に出るためでもありません。
もちろん、結果的に人とつながったり、上達したり、発信したりするのは楽しいです。
でも最初からそこを目指すと、急にしんどくなります。
趣味は、もっと雑でいい。
もっとゆるくていい。
「なんか、これやってると少しマシやな」
そのくらいから始めれば十分です。
40代からの趣味の見つけ方5ステップ
では、実際にどうやって趣味を見つけるのか。
いきなり「趣味を作るぞ」と気合いを入れると、だいたい続きません。
ジムの入会と同じです。
入会した瞬間に、なぜか半分達成した気になります。
だから、趣味探しも小さく始めましょう。
1. 昔好きだったことを思い出す
まずは、昔好きだったことを思い出してみます。
学生時代に好きだったこと。
20代の頃によくやっていたこと。
子どもの頃、時間を忘れてやっていたこと。
野球。
音楽。
漫画。
ゲーム。
車。
釣り。
映画。
写真。
プラモデル。
料理。
文章を書くこと。
歩くこと。
喫茶店に行くこと。
今さらと思うかもしれません。
でも、昔好きだったことには、自分の根っこが残っています。
大人になると、「役に立つか」「お金になるか」「人にどう見られるか」を考えすぎます。
でも子どもの頃は、そんなことを考えずに楽しんでいました。
その感覚を少し思い出すことが、趣味探しの第一歩です。
別に昔と同じ熱量でやらなくていい。
野球をやっていた人が、草野球に復帰しなくてもいい。
まずはプロ野球をゆっくり見るだけでもいい。
音楽が好きだった人が、バンドを組まなくてもいい。
昔のアルバムを聴き直すだけでもいい。
趣味は、現役復帰だけではありません。
観客席から戻ってもいいのです。
2. お金をかけずに小さく試す
趣味を始めるときに、いきなり道具をそろえすぎる人がいます。
釣りを始める前に、道具一式。
キャンプを始める前に、テント、椅子、焚き火台。
カメラを始める前に、高いレンズ。
筋トレを始める前に、ウェアとプロテイン。
形から入るのは悪くありません。
おっさんは形から入ることで、気持ちが少し上がります。
新品の道具には、謎のやる気成分があります。
ただし、最初からお金をかけすぎると、合わなかったときにダメージが大きいです。
だから、まずは小さく試します。
写真ならスマホでいい。
料理なら家にあるフライパンでいい。
散歩なら靴だけでいい。
読書なら図書館でもいい。
筋トレならYouTubeを見ながら自重でいい。
ブログなら無料サービスでもいい。
最初の目的は、続けることではありません。
自分に合うか確かめることです。
3回やってみて、またやりたいと思うか。
終わった後に少し気分がいいか。
やる前より、少し元気になっているか。
そこを見れば十分です。
趣味探しは、結婚ではなく試食です。
いきなり一生を誓わなくていい。
3. 一人でできる趣味から始める
40代から趣味を始めるなら、まずは一人でできるものがおすすめです。
なぜなら、人と予定を合わせる必要がないからです。
趣味が続かない理由のひとつは、始めるまでのハードルが高いことです。
誰かを誘う。
日程を合わせる。
場所を決める。
準備する。
移動する。
この時点で、もう少し疲れます。
もちろん、人とやる趣味は楽しいです。
ゴルフ、釣り、キャンプ、草野球、フットサル。
仲間がいるから続くものもあります。
でも最初は、一人で始められる趣味の方が気楽です。
散歩。
読書。
映画。
写真。
料理。
筋トレ。
ストレッチ。
カフェ巡り。
神社仏閣巡り。
ブログ。
音楽。
家庭菜園。
こういうものは、思い立ったときにできます。
誰にも気を使わない。
うまくなくても恥ずかしくない。
途中でやめても怒られない。
この気楽さが大事です。
40代は、仕事でも家庭でも気を使う場面が多い。
せめて趣味くらい、誰にも気を使わずに始めたいところです。
4. 誰かに見せる前提をなくす
今の時代、何かを始めるとすぐに「発信」が頭に浮かびます。
写真を撮ったらInstagram。
料理を作ったら投稿。
筋トレしたらビフォーアフター。
読書したらレビュー。
キャンプに行ったら動画。
もちろん発信は楽しいです。
誰かに見てもらえるとうれしいし、続けるモチベーションにもなります。
でも、最初から見せる前提にすると、しんどくなることがあります。
映える写真を撮らないといけない。
うまいこと言わないといけない。
ちゃんと続けている感じを出さないといけない。
気づけば、趣味が仕事みたいになります。
それでは本末転倒です。
趣味は、誰かに見せなくても成立します。
下手な写真でもいい。
盛り付けが雑な料理でもいい。
3ページしか読めなかった本でもいい。
10分だけの散歩でもいい。
自分が少し楽になったなら、それで十分です。
SNSに上げなくても、趣味は趣味です。
誰にも評価されない時間を持つことは、むしろ40代にはかなり大事です。
5. 月1回でも続けば趣味と呼んでいい
趣味というと、毎週やらないといけない気がします。
でも、月1回でも十分です。
月1回、映画を見る。
月1回、少し遠くまで散歩する。
月1回、ひとりで喫茶店に行く。
月1回、料理を作る。
月1回、釣りに行く。
月1回、ブログを書く。
それでも立派な趣味です。
趣味に厳しい出席管理はいりません。
タイムカードを押す必要もありません。
むしろ、40代の趣味はゆるい方が続きます。
「できたらやる」
「気が向いたらやる」
「月1回でも戻ってくる」
これくらいでいい。
大事なのは、生活の中に帰ってこられる場所があることです。
忙しくても、疲れていても、少し落ち込んでいても、そこに戻ると自分のペースを取り戻せる。
それが趣味です。
40代男性におすすめしやすい趣味
ここからは、40代男性が始めやすい趣味をいくつか紹介します。
ポイントは、無理なく始められて、生活に少し良い影響があることです。
散歩・ウォーキング
一番おすすめしやすいのは散歩です。
お金がかからない。
準備が少ない。
健康にもいい。
考えごとも整理される。
散歩は地味ですが、かなり強い趣味です。
近所を歩くだけでも、意外と発見があります。
知らない店。
季節の変化。
夕方の空。
古い家。
小さな公園。
普段、車や電車で通り過ぎている場所を、自分の足で歩くと少し違って見えます。
しかも、散歩はおっさんにちょうどいい。
誰にも迷惑をかけない。
失敗もない。
ウェアもいらない。
ただ歩くだけ。
でも、歩いて帰ってくると、ちょっと気分が変わっています。
写真
写真もおすすめです。
高いカメラを買わなくても、スマホで十分です。
散歩しながら気になったものを撮る。
空、路地、看板、喫茶店、花、駅、古い建物。
何でもいいです。
写真を撮ると、日常の見方が少し変わります。
「何かないかな」と探すようになる。
すると、いつもの道にも面白いものがあることに気づきます。
40代になると、日々が流れ作業になりがちです。
写真は、その流れを一瞬止めてくれます。
うまく撮る必要はありません。
自分がいいと思ったものを残せばいい。
それだけで、日常が少しだけ趣味になります。
料理
料理は、かなり実用的な趣味です。
自分で食べられる。
家族にも喜ばれる可能性がある。
健康にもつながる。
節約にもなる。
ただし、最初から凝った料理を作ろうとしなくていいです。
チャーハン。
味噌汁。
焼きそば。
カレー。
卵焼き。
鍋。
つまみ。
このあたりで十分です。
おっさんが作る料理は、最初はだいたい茶色になります。
それでいいです。
茶色はうまい。
ただ、たまに緑を入れましょう。身体のために。
料理は、手を動かすので気分転換になります。
切る、焼く、煮る、味を見る。
仕事の悩みから少し離れられます。
しかも、うまくできたら晩酌が楽しくなります。
これは大きいです。
筋トレ・ストレッチ
体型や健康が気になる人には、筋トレやストレッチもおすすめです。
ただし、最初から追い込みすぎないこと。
腕立て10回。
スクワット10回。
寝る前のストレッチ5分。
朝に肩を回すだけ。
このくらいで十分です。
40代の運動は、若い頃の自分と戦わない方がいいです。
昔はもっと動けた。
昔はもっと痩せていた。
昔はもっと腹が出ていなかった。
そんなことを言い出すと、心が老けます。
今の身体を、少しだけマシにする。
そのための筋トレでいい。
続けるうちに、身体が少し軽くなります。
姿勢も変わります。
服の見え方も変わります。
趣味と健康管理が一緒になるので、かなりコスパのいい趣味です。
読書・映画・音楽
読書、映画、音楽は、大人の趣味としてかなり始めやすいです。
家でできる。
一人でできる。
お金もそこまでかからない。
疲れている日でもできる。
ただし、無理に高尚なものを選ばなくていいです。
名作文学を読まないといけない。
難しい映画を見ないといけない。
ジャズを語れないといけない。
そんなルールはありません。
漫画でもいい。
エッセイでもいい。
昔好きだった映画でもいい。
80年代、90年代の音楽でもいい。
むしろ、昔好きだったものに戻るのはかなり良いです。
当時の自分を思い出す。
あの頃の気分が少し戻る。
でも今の自分で味わうから、また違って感じる。
これも立派なアップデートです。
家庭菜園・観葉植物
植物を育てるのもおすすめです。
庭がなくても、ベランダや室内でできます。
ミニトマト。
ハーブ。
観葉植物。
多肉植物。
植物は、こちらのペースを少し整えてくれます。
水をあげる。
日当たりを見る。
葉の色を見る。
成長を待つ。
仕事のように、すぐ結果が出るわけではありません。
だからこそ、いい。
40代は、成果や数字に追われることが多いです。
植物は、こちらの都合だけでは育ちません。
そのゆっくりさが、ちょうどいいのです。
あと、植物が部屋にあると、少し生活がちゃんとして見えます。
本人が多少くたびれていても、部屋に緑があるだけで、なんとなく整って見える。
植物、優秀です。
ブログ・発信
文章を書くことも、40代にはかなりおすすめです。
日記でもいい。
ブログでもいい。
SNSでもいい。
誰にも見せないメモでもいい。
40代になると、自分の中にたまっているものが増えてきます。
仕事で感じたこと。
家族とのこと。
昔の思い出。
最近の悩み。
買ってよかったもの。
失敗したこと。
誰かに言うほどではないけど、心に残っていること。
それを書くと、頭が整理されます。
別に名文でなくていい。
誰かを感動させなくてもいい。
「今日は何となく疲れた」
「でも夕方の空がきれいだった」
「コンビニの新商品が意外とうまかった」
それだけでも、自分の時間になります。
40代の発信は、若者のようにバズらなくてもいい。
むしろ、バズらなくていい。
誰か一人に届けばいい。
もっと言えば、自分に戻ってくればいい。
趣味を続けるコツは「上達」より「帰ってこれる場所」にすること
趣味を続けようとすると、上達しなければと思いがちです。
写真がうまくならない。
料理が上達しない。
筋トレの成果が出ない。
ブログのアクセスが増えない。
ゴルフのスコアが縮まらない。
すると、だんだん嫌になります。
でも、趣味は仕事ではありません。
もちろん上達したら楽しい。
できることが増えるのはうれしい。
人に褒められるのも悪くない。
でも、趣味の本当の価値はそこだけではありません。
疲れたときに戻れる。
気分が落ちたときに少し整う。
一人になりたいときに居場所になる。
日常に小さな楽しみができる。
それで十分です。
趣味は、人生を変える大事件でなくていい。
生活の中に置く、小さな避難所でいい。
仕事でうまくいかない日がある。
家族と少し噛み合わない日がある。
将来のことを考えて不安になる日がある。
そんなときに、散歩に行く。
料理をする。
本を読む。
写真を撮る。
植物に水をあげる。
文章を書く。
それだけで、少し戻ってこられる。
40代に必要な趣味は、派手な趣味ではなく、戻れる趣味なのかもしれません。
趣味は人生の余白に置く小さな避難所
40代は、何かと役割が多い年代です。
仕事では責任がある。
家では家族がいる。
親のこともある。
お金のこともある。
健康のこともある。
気づけば、自分のことが後回しになります。
でも、自分の機嫌を自分で取ることは、かなり大事です。
家族に優しくするにも、仕事を頑張るにも、自分の中に少し余白が必要です。
余白がないと、人はだんだん雑になります。
言い方がきつくなる。
疲れが顔に出る。
何をしても面倒になる。
そんなとき、趣味がひとつあるだけで、少し違います。
大げさなものでなくていい。
月1回でもいい。
一人でできることでいい。
誰にも見せなくていい。
自分が少し機嫌よくなることを、生活の中に置いておく。
それが40代からの趣味の見つけ方です。
まとめ
40代から趣味を見つけるときに、大切なのは「すごい趣味」を探すことではありません。
仕事と家族以外に、少しだけ自分に戻れる時間を作ることです。
まずは、昔好きだったことを思い出す。
お金をかけずに小さく試す。
一人でできることから始める。
誰かに見せる前提をなくす。
月1回でも続けば趣味と呼んでいい。
趣味は、才能ではありません。
生活の余白です。
休日に何をしていいか分からない。
スマホを見ているうちに一日が終わる。
別に不幸ではないけど、なんとなく物足りない。
そんなおっさんにこそ、趣味は必要です。
散歩でもいい。
料理でもいい。
写真でもいい。
読書でもいい。
植物でもいい。
ブログでもいい。
誰かに自慢できなくてもいい。
うまくなくてもいい。
毎週できなくてもいい。
ただ、少し気分が戻るものを持っておく。
それだけで、毎日は少し変わります。
40代からの趣味探しは、青春を取り戻すことではありません。
今の自分に、少し余白を取り戻すことです。
まずは今週、ひとつだけ試してみましょう。
散歩でも、料理でも、昔好きだった音楽を聴くでもいい。
人生の後半戦に、自分だけの小さな楽しみをひとつ置いておく。
それだけで、おっさんはまだまだアップデートできます。